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少し個人的な質問です。個人的というのは私はJMPとPredictionOneを既に使っており、使用料を支払っているからです。その状況においてこの2つのツールをBIツールと生成AIツールの間に介在させることにより、余計なお金を支払わず、かつ、組織的な運用が必要になるなくならないかという考えから、下記の質問をしてみました。
(私の質問)
TableauやPowerBIを生成AIと連携させて使うことに興味があります。しかし、両者ともコストt運用が個人では対応できにくいと感じています。そこで「TableauやPowerBI」間に統計ツールJMPとかsonyのPredictionOneを介在させ、そこでデータ加工を行い、その結果を生成AIに繋げば当初の活用ができるのではないかと考えましたが、この考えはどうですか
(Geminiの回答)
はじめに結論からお伝えすると、そのアイデアは技術的には可能ですが、当初の目的を達成する上でいくつかの重要な課題があり、コストや運用の観点でも最適な解決策とは言えない可能性が高いです。
非常に興味深い着眼点ですので、その理由と、より目的に合った代替案を詳しく解説します。
ご提案の「Tableau/PowerBIの代わりにJMP/PredictionOneでデータ加工・分析し、その結果を生成AIに連携する」という構成について、実現可能性、目的達成度、コスト・運用の3つの観点から見ていきましょう。
この構成は、技術的には実現可能です。具体的な方法としては、以下の2つのアプローチが考えられます。
ファイル経由での連携:
JMPやPredictionOneでデータを分析・加工します。
その結果(分析レポート、グラフ画像、CSVデータなど)をファイルとして出力します。
出力したファイルをChatGPTやGeminiなどの生成AIにアップロードし、「このデータから何が言える?」「このグラフを要約して」といったプロンプトで分析を依頼します。
API経由での連携:
JMPの場合: JMPにはJSL(JMP Scripting Language)というスクリプト言語があり、Pythonとも連携できます。これらを使って生成AIのAPI(例: OpenAI API)を呼び出し、データや分析結果を直接送信して、AIからの回答をJMP内に取り込むことが可能です。
PredictionOneの場合: クラウド版にはAPIが用意されており、作成した予測モデルを外部のアプリケーションから利用できます。このAPIと生成AIのAPIを組み合わせることで、連携システムを構築できます。
⇒これにはAPIのプログラムを書く必要がある(青山)
しかし、どちらの方法も連携のための実装や手動操作が必要となり、TableauやPowerBIが目指すシームレスな体験とは異なります。
ここが最も重要なポイントです。TableauやPowerBIと生成AIの連携(Tableau PulseやPower BI Copilotなど)が提供する本質的な価値は、対話的・探索的なデータ分析体験です。
Tableau/PowerBI + 生成AIにできること: ダッシュボードを見ながら「売上が最も高い製品は?」「その理由は?」と自然言語で質問すると、動的にフィルタリングされたり、新たなグラフが生成されたりします。ユーザーの操作にリアルタイムでAIが応答し、インサイト発見を支援します。
提案構成でできること: JMP/PredictionOneで一度分析を完了させ、その「静的な」結果を生成AIに渡して解釈を依頼する形になります。そのため、「このグラフの、この部分をさらに深掘りして」といった対話的・連続的な分析には向きません。当初の目的であった「BIツールと生成AIのインタラクティブな連携」を再現するのは難しいでしょう。
3. コストと運用の課題:本末転倒になる可能性
コストと運用の手間を懸念されているとのことですが、ご提案の構成は、その問題を解決するどころか、むしろハードルを上げてしまう可能性があります。
コスト:
JMP: 個人向けのライセンスでも高価(年間数十万円)であり、Tableau Creator(月額約9,000円)やPower BI Pro(月額約1,500円)より高くなる可能性があります。
⇒PowerBIProではAI機能は使えず、premiumへの加入が必要となり、個人的な運用はかなり難しいです(青山)
PredictionOne: ビジネス利用が前提の価格設定です。
結果として、当初よりコストが増大する可能性が十分に考えられます。
運用:
Tableau/PowerBIの生成AI機能は、ツール内に統合されているため比較的簡単に利用開始できます。
一方、JMP/PredictionOneと生成AIを連携させるには、前述の通りAPI連携のためのプログラミング知識やスクリプト作成のスキルが必要となり、技術的な難易度は格段に上がります。
【代替案】個人で実現可能な「BIと生成AIの連携」
では、コストを抑えつつ個人でBIと生成AIの連携を試すにはどうすればよいでしょうか。最も現実的で、スキルの向上にもつながる方法として、Pythonを活用したアプローチを強くお勧めします。
Pythonによる「自作BI × 生成AI」
これは、オープンソースのライブラリを組み合わせて、自分だけの簡易的なBI環境を構築し、そこに生成AIを組み込むアプローチです。
役割 | 使用するPythonライブラリ(例) | 概要 |
データ加工・分析 | pandas , NumPy |
CSVやExcelファイルを読み込み、データの整理、集計、基本的な統計分析を行います。 |
データ可視化 | Matplotlib , Seaborn , Plotly |
分析結果を様々なグラフ(棒グラフ、折れ線グラフ、散布図など)で可視化します。 |
対話的ダッシュボード | Streamlit , Dash |
プログラミングでインタラクティブなWebアプリケーション(簡易BIツール)を簡単に作成できます。フィルターやボタンの設置も可能です。 |
生成AI連携 | openai , google-generativeai |
ChatGPT (OpenAI) や Gemini (Google) のAPIを呼び出し、分析データやユーザーの質問を送信して、結果を受け取ります。 |
圧倒的な低コスト: ライブラリはすべて無料です。かかる費用は、生成AIのAPI利用料(個人で試す範囲なら月々数百円〜数千円程度)のみです。
高いカスタマイズ性: 自分のやりたい分析や連携を、コードで自由に実現できます。
市場価値の高いスキル習得: データ分析(pandas)とWebアプリ開発(Streamlit)、AI活用(API連携)のスキルは、今後のキャリアにおいて非常に強力な武器になります。
デメリット
プログラミングスキルが必要: Pythonの基本的な知識の習得が必要です。ただし、現在では学習教材が豊富にあるため、意欲があれば十分に習得可能です。
まとめ:進むべき方向性
ご提案のアイデアは、ツールの連携を考える上で面白い視点ですが、「コスト・運用の簡素化」と「対話的な分析体験」という本来の目的を達成するのは難しいでしょう。
もし、本気でデータと生成AIの連携を探求したいのであれば、遠回りに見えてもPythonによる自作アプローチが最も効果的で、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
まずはpandas
でデータの扱いに慣れ、次にStreamlit
で簡単なダッシュボード作成に挑戦し、最後に生成AIのAPIを連携させてみる、というステップで進めてみてはいかがでしょうか。このプロセスを通じて得られる知識と経験は、高価なツールを単に使うだけでは得られない、本質的な力になるはずです。