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(私の問い)
TableauはPowerビボットのExcelファイルも取り込めるのですか
はい、TableauはPower Pivotが含まれるExcelファイルを取り込むこと自体は可能ですが、Power Pivotで構築されたデータモデル(テーブル間のリレーションシップやDAXメジャーなど)を直接的に解釈して引き継ぐことはできません。
この点を理解するために、TableauがExcelファイルをどのように扱うか、そしてPower PivotのデータをTableauで活用するための具体的な方法について、詳細を解説します。
TableauがExcelファイルに接続する際、以下のものをデータソースとして認識します。
ワークシート: Excelファイル内の各シートを個別のテーブルとして認識します。
名前付き範囲: 特定のセル範囲に名前を付けている場合、その範囲を一つのテーブルとして認識します。
Excelテーブル: Excelの「テーブルとして書式設定」機能で作成されたテーブルを認識します。
重要なのは、TableauはExcelファイルの「見た目」や「シート上のデータ」を読み取るのが基本であり、その背後にあるPower Pivotのデータモデル構造(どのテーブルとどのテーブルが、どの列で関連付けられているか、といった情報)や、DAX(Data Analysis Expressions)で書かれた計算式(メジャーや計算列)を直接インポートして再現する機能は持っていないという点です。
Power Pivotでデータモデルを構築したExcelファイルをTableauで開こうとすると、以下のようになります。
データモデルは無視される: テーブル間のリレーションシップ、階層、KPI、DAXメジャーといったPower Pivotで設定したロジックは、Tableauには認識されません。
元データは読み込める: Power Pivotのデータモデルを構成するためにExcelシートに取り込まれた、あるいはリンクされた元のデータテーブル自体は、通常のワークシートとしてTableauに読み込むことが可能です。
例えば、売上
テーブル、商品マスタ
テーブル、顧客マスタ
テーブルをPower Pivotでリレーションシップを設定していても、Tableauから見るとそれらは独立した3つのテーブル(シート)として表示されます。
Power Pivotで作成・分析しているデータをTableauでさらに活用したい場合、主に2つのアプローチが考えられます。
これは、Power Pivotの利便性を活かしつつ、Tableauの高度な可視化・分析能力を最大限に引き出すための最もクリーンで強力な方法です。
元データの準備: Power Pivotのデータモデルに使用している全ての元テーブル(例:売上データ、商品マスタ、顧客マスタなど)がExcelシート上に存在することを確認します。
Tableauへ接続: TableauからそのExcelファイルに接続します。データソースペインには、各シートが個別のテーブルとして表示されます。
リレーションシップの再設定: Tableauのデータソースペインで、各テーブルをキャンバスにドラッグ&ドロップし、Power Pivotで設定していたものと同じようにテーブル間のリレーションシップ(関連付け)を再構築します。Tableauは非常に直感的にリレーションシップを設定できます。
計算フィールドの作成: Power PivotでDAXメジャーを使って定義していた計算(例:売上合計、前年比成長率など)は、Tableauの「計算フィールド」機能を使って再作成します。Tableau独自の計算言語を使用しますが、多くの一般的なビジネス計算は容易に実装できます。
メリット:
Tableauの持つパフォーマンス最適化機能(クエリの自動最適化など)の恩恵を最大限に受けられます。
Tableauの全ての機能(高度なビジュアライゼーション、パラメータ、セット、LOD計算など)を制約なく利用できます。
データソースの構造が明確になり、メンテナンス性が向上します。
デメリット:
データモデルと計算式を再構築する手間がかかります。
これは、Tableauでは特定の可視化を行いたいだけで、複雑なインタラクティブ分析は不要な場合に適した、より簡単な方法です。
データのフラット化: ExcelのPower QueryやPower Pivotを使い、分析に必要な形にあらかじめデータを集計・加工します。例えば、売上
テーブルに商品マスタ
から商品カテゴリ
を、顧客マスタ
から顧客セグメント
を結合(マージ)し、一枚の大きなテーブル(非正規化されたフラットテーブル)を作成します。
Excelシートへの出力: 作成したフラットなテーブルを、Excelの新しいワークシートにピボットテーブルや通常のテーブルとして出力します。
Tableauから接続: Tableauからは、この出力されたワークシートにのみ接続します。Tableauから見れば、これは単なる一つのデータテーブルです。
メリット:
Tableau側でのデータ準備作業がほとんど不要で、すぐに可視化に取り掛かれます。
複雑なDAXでしか表現できないような計算結果を、あらかじめ値としてTableauに渡すことができます。
デメリット:
分析の粒度が、あらかじめ作成したテーブルの粒度に固定されます。ドリルダウンなど、より詳細なレベルでの分析が制限される可能性があります。
DAXメジャーのような動的な計算は失われ、静的な値として扱われます。フィルタを変更しても、その場で再計算されるわけではありません。
データ量が大きい場合、Excelファイルのパフォーマンスが低下する可能性があります。
TableauはPower PivotのExcelファイルを「ファイル」として開くことはできますが、その核心である「データモデル」を継承することはできません。
本格的な分析を行いたい場合: Power Pivotの元データをTableauに読み込み、Tableauの機能でデータモデルを再構築する(アプローチ1)ことが強く推奨されます。これにより、Tableauの能力を最大限に引き出すことができます。
手早く特定のチャートを作成したい場合: Power Pivotであらかじめ集計・加工したテーブルをExcelシートに出力し、その結果テーブルにTableauを接続する(アプローチ2)のが手軽です。
ご自身の分析の目的やデータの複雑さに合わせて、最適なアプローチを選択してください。