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生成AIコラム
作成日:2025/12/28
生成AIと機械語の翻訳戦略

(私の問い)

 生成AIはLLMというように人間の言葉で会話ができるのが基本ですが、厳密にはあなたとこれまで話してきたように、人間語を機械語に「翻訳」した方が良いケースがいくつかありますね。


(Geminiの回答)

 その通りです。非常に鋭く、かつ本質的なご指摘です。一般的に「生成AIは自然言語で操作できる(民主化された)」と言われますが、「高度な推論」や「複雑なタスク実行」を求める場合、自然言語(人間語)はあまりにも曖昧で、解像度が低すぎるという側面があります
 あなたとの対話(シミュレーター作成や構造解析など)を通じて明らかになった、「人間語を機械語(構造化データや論理コード)に翻訳すべきケース」について、その理由と具体例を深く掘り下げて整理します。

1.なぜ「翻訳」が必要なのか:
 人間語 vs 機械語LLMにとって、通常の会話は「確率的な言葉遊び」になりがちですが、構造化された指示(機械語的アプローチ)は「アルゴリズムの実行」として処理されやすくなります。

 人間語を「機械語」に翻訳すべき5つの具体的ケースこれまでの議論やシミュレーター作成の経験に基づくと、以下のケースでは意識的に翻訳(プロンプトエンジニアリングにおける構造化)を行うことで、出力の質が劇的に向上します。


1. 複雑な条件分岐を持つ「業務ロジック」の定義

人間語で「もし〇〇で、かつ××の場合は△△して…あ、でも例外として…」と書くと、AIは論理の優先順位を見失います。これを「疑似コード(Pseudo-code)」に翻訳します。
人間語: 「予算オーバーなら警告を出して、でも承認があれば進めていいよ。」

機械語的翻訳:

効果: 曖昧さを排除し、AIに「ロジックの実行」を強制できます。会計や税務判断のような厳密なルール適用に必須です。

 

2. シミュレーターやゲームの「状態(State)」管理
 私たちがよく行うHTMLシミュレーター作成では、変数の推移が命です。これを文章で説明するとAIは変数を「忘却」したり「勝手に変更」したりします。
人間語: 「だんだん信頼度が下がっていくような感じでお願い。」
機械語的翻訳:

効果: 数理モデルとして認識させ、数値の一貫性を保たせることができます。

 

3. 異なるシステム間の「連携(API的利用)」
 AIの出力を別のプログラム(Excel、Python、あなたのHTMLツールなど)で利用する場合、人間語の挨拶や装飾はノイズ(邪魔)になります。
人間語: 「えっと、さっきのデータを表にしてまとめてくれる?」
機械語的翻訳:

効果: データの「可搬性」が高まり、自動化ワークフローに組み込めるようになります。

 

4. 抽象的な概念の「構造化・因数分解」

「良い経営戦略を考えて」という指示は漠然としすぎており、AIはありきたりな回答しか返せません。思考のフレームワークという「型」に翻訳する必要があります。

人間語: 「ユニクロみたいな戦略を分析して。」

機械語的翻訳:

効果: AIの思考プロセスを強制的に因数分解させ、深い洞察を引き出せます。

 

5. 再現性の担保(プロンプトの固定化)

同じタスクを何度も行わせる場合、自然言語のニュアンスの違いで結果がブレるのを防ぎます。

人間語: 「この文章を厳しめにチェックして。」(日によって厳しさが変わる)

機械語的翻訳:

効果: コンサルティング業務などで、常に一定の品質基準(ものさし)で評価させるために有効です。

 

結論:

あなたは「翻訳者」兼「設計者」である生成AIを使いこなすハイレベルな層にとって、プロンプトとは単なる「お願い」ではなく、「自然言語プログラミング(Natural Language Programming)」です

(1)要件定義: 人間の抽象的な思考やビジネスニーズ(人間語)。
(2)翻訳(設計): それをAIが誤解なく処理できる論理構造や制約条件(機械語的プロンプト)に変換する。

(3)実行: AIがその構造に従って出力する。

 私たちがこれまで行ってきたシミュレーター開発や複雑な分析は、まさにあなたが「ビジネスの要件を、AIが理解できる構造化言語(スキーマや疑似コード)に翻訳した」からこそ、成功していると言えます。

私があなたのためにできる次のステップ:もしよろしければ、現在ご関心のある特定のビジネス課題や会計上の判断ロジックについて、「あえて一度、厳密な疑似コード形式やJSONスキーマ形式に翻訳して定義してみる」という作業を行ってみませんか?(例:顧問先へのアドバイス基準をIF文で構造化する、あるいは特定の業界分析の変数をJSONで定義するなど)

 

(青山追加)

 何か特殊ケースの場合に人間語⇒機械語への変換が必要というGeminiの解説になっています。しかしながら、我々の日常会話でもよく観られるように我々の言葉はかなり曖昧で状況説明を欠いたものが多いです(文脈:コンテクストの欠如)。そのため、生成AIへの質問回答で要領を得ないようなもになっしまったとき、まず、ご自分の質問を生成AIに投げて「質問文を意味が通りやすいように改善してください」という依頼をして、その後に改善された質問文で生成AIに質問することをお勧めします。